- 唇は皮脂腺がほとんどなく角層も薄いため、肌よりも乾燥しやすく刺激も受けやすい
- なめる・皮をはがす・こするといった習慣が、荒れを長引かせる原因になりやすい
- リップクリームは「こまめに・やさしく・たっぷりめに」。荒れが続くときは皮膚科へ
唇が乾燥しやすい理由
唇は、顔のほかの部分の皮膚とはつくりが少し違います。主な特徴は次のとおりです。
| 唇の特徴 | 乾燥・荒れとの関係 |
|---|---|
| 皮脂腺がほとんどない | 肌を守る皮脂膜ができにくく、水分が蒸発しやすい |
| 角層(肌のいちばん外側の層)が薄い | 外からの刺激を受けやすく、うるおいも逃げやすい |
| 汗腺がほとんどない | 汗によるうるおいも期待しにくい |
| よく動き、食事や会話で触れる機会が多い | 摩擦や食べ物・飲み物の刺激を受けやすい |
このように、唇は自分でうるおいを保つ力が弱いパーツです。空気が乾燥する秋冬や、暖房の効いた室内では、特に意識してケアしたい部分といえます。季節の乾燥対策は秋から冬の乾燥・かゆみ対策、室内の乾燥は暖房・エアコンによる乾燥対策でもまとめています。
唇が荒れる主な原因
空気の乾燥と紫外線
湿度の低い季節や、冷たい風に当たる屋外では、唇の水分が奪われやすくなります。また、唇は紫外線の影響も受けやすいといわれています。冬でも日差しを浴びる時間が長い日は、紫外線対策も意識しましょう。
なめる・皮をむく・こするクセ
唇が乾くと、ついなめてしまう方は多いのではないでしょうか。だ液が蒸発するときに唇の水分もいっしょに奪われるため、なめるほど乾燥が進みやすくなります。めくれた皮を指や歯ではがしたり、ティッシュで強くふいたりするのも、荒れを長引かせる原因になります。
口紅・歯みがき粉・食べ物などの刺激
マットな質感の口紅や長時間落ちにくいタイプは、唇が乾いていると感じる方もいます。また、歯みがき粉、辛いものや酸味の強い食べ物、香料などが刺激になる場合もあります。特定のものを使ったあとに荒れやすいと感じたら、いったん使用をやめて様子を見ましょう。
体調や生活習慣
睡眠不足や疲れ、食事のかたよりなども、唇の状態に影響することがあります。口呼吸のクセがあると、寝ている間に唇が乾きやすくなるともいわれています。
リップクリームの選び方
化粧品と医薬部外品・医薬品の違い
リップクリームには、化粧品のほか、医薬部外品や医薬品として販売されているものもあります。
- 化粧品:唇のうるおいを保ち、乾燥から守ることを目的としたもの
- 医薬部外品:唇の荒れを防ぐことなどを目的とした有効成分が、決められた範囲で配合されたもの(医薬部外品とは)
- 医薬品:すでに起きている唇の荒れやひび割れなどの症状に使うもの。使い方や注意事項は添付文書に従う
毎日の保湿には化粧品や医薬部外品、荒れがひどいときは薬剤師に相談して医薬品を選ぶ、というように使い分けるとよいでしょう。
配合成分で選ぶ
| 成分の例 | 主な役割 |
|---|---|
| ワセリン・ミツロウ | 唇の表面に膜をつくり、水分の蒸発を防ぐ |
| シアバター・スクワラン・植物油 | 油分を補い、唇をやわらかく保つ |
| セラミド・ヒアルロン酸 | うるおいを保つ |
| グリチルリチン酸2Kなど | 医薬部外品で、肌荒れを防ぐ目的で配合される |
メントールやカンフルなど清涼感のある成分が入ったものは、すっきりした使い心地が好まれる一方で、荒れて敏感になっているときにはしみることがあります。しみる、ヒリヒリすると感じたら、清涼成分や香料の入っていないシンプルなものを選びましょう。
日中は紫外線カット、夜は保護重視
外出する日は、SPF・PA表示のあるリップクリームを使うのもひとつの方法です。夜は紫外線を気にしなくてよいので、保湿や保護を重視したこっくりとしたタイプが向いています。
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保湿ケアは、化粧水だけでなく乳液やクリームとの組み合わせも大切です。使用量や使う順番は、各商品の説明に従いましょう。
効果的なリップクリームの塗り方
- 唇の水分や汚れをやさしくおさえる:飲食のあとは、ティッシュで軽く押さえる程度に
- 唇の縦じわに沿って塗る:横に往復させるより、縦方向に小さく動かすとシワの間までなじみやすい
- 力を入れずに、たっぷりめに:ぐいぐい押しつけると摩擦の原因に。何度か重ねて、膜をつくるイメージで
- 口角や唇の輪郭まで:乾燥しやすい口角や、唇のまわりの皮膚にも少しのばす
乾燥がつらいときは、夜寝る前にワセリンやリップクリームを厚めに塗り、そのまま休む「リップパック」もおすすめです。口紅を使う日は、先にリップクリームをなじませておくと、乾燥を感じにくくなります。
やってはいけないNG習慣
- 唇をなめる・かむ
- めくれた皮を無理にはがす
- ティッシュやタオルでゴシゴシふく
- 荒れているときにスクラブで強くこする
- 口紅を落とさないまま寝る
- しみる・かゆいのに同じリップを使い続ける
リップ用のスクラブは、唇が荒れていないときに、やさしく使う程度にとどめましょう。口紅は、ポイントメイク用のリムーバーやクレンジングでやさしく落とします(クレンジングの種類と選び方)。
皮膚科に相談したい唇の症状
セルフケアを続けても良くならない場合は、皮膚の病気が隠れていることもあります。次のような場合は、自己判断を続けずに皮膚科を受診しましょう。
- 赤み・腫れ・かゆみが強い、ジュクジュクしている
- 口角が切れて、なかなか良くならない
- 小さな水ぶくれができている
- リップクリームや口紅を変えてから荒れ始めた
- しばらくケアを続けても改善しない
唇の炎症(口唇炎)や口角の炎症(口角炎)は、化粧品などによるかぶれや、細菌・カビ(真菌)、ウイルスなど、原因によって対処が異なります。原因に合わない薬を使うと悪化することもあるため、専門家に相談することが大切です。
よくある質問
- リップクリームは塗りすぎると唇が乾燥しやすくなると聞きました
- 「塗りすぎると唇が自分でうるおう力が弱くなる」という話を聞くことがありますが、唇はもともと皮脂腺がほとんどなく、外からの保護が必要なパーツです。気になる場合は、成分がシンプルなものを選び、なめる・こするなどの習慣を見直してみましょう。塗るたびにしみる、荒れが悪化するという場合は、そのリップが合っていない可能性があります。
- ワセリンとリップクリームはどちらがいいですか?
- ワセリンは水分の蒸発を防ぐ力にすぐれ、刺激になりにくいのが特長です。荒れているときや夜のパックに向いています。日中は、使い心地のよいリップクリームや紫外線カット効果のあるものを使うなど、場面で使い分けるとよいでしょう。
- 唇の皮がむけてしまったときは、どうすればいいですか?
- 無理にはがさず、ワセリンやリップクリームを厚めに塗って保護しましょう。浮いている皮が気になる場合は、清潔な小さなハサミで、出血しない範囲で根元を残して切る方法もありますが、引っぱってはがすのは避けてください。
唇は皮脂腺がほとんどなく、乾燥や刺激の影響を受けやすいパーツです。リップクリームでこまめに保護し、なめる・はがす・こするといった習慣を見直すことが、荒れにくい唇への近道です。セルフケアで良くならない赤みや腫れ、口角の切れは、早めに皮膚科で相談しましょう。顔全体の乾燥ケアは乾燥肌の原因と対策もあわせてご覧ください。