美白志向は飛鳥時代からだった

今日はizaを読んでいて、興味深い記事を見つけました。

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≪しわ少ないが、しみ多く≫ 
 きめ細かな色白の肌は豊かな黒髪と並んで古くから日本女性の美の基準とされてきた。
一時期、日焼けした肌が流行したこともあったが、最近の「美白ブーム」で再び、
伝統的な姿に戻りつつあるようだ。
日光に含まれる紫外線が肌に与える害が広く認知され、化粧品業界関係者は
「今後も日本人の肌は白く、明るく、きれいになっていくだろう」と予測している。(堀江政嗣)

 ≪水分多くしっとり≫ 
 日本人と外国人の肌は色以外にも、さまざまな相違点がある。
彫りが深く立体的な欧米人(コーカソイド系)の顔は、その構造からしわやたるみができやすい。
それに対して日本人(モンゴロイド系)の顔は平坦(へいたん)でのっぺりしているため、
しわやたるみはできにくい。

 資生堂が今年、パリ在住のフランス人と東京在住の日本人を対象に行った調査では、
30代のフランス人の4割近くが目尻にしわがあったのに対し、日本人では40代でも
全くない人が約7割を占めた。
また、30代のフランス人の半数弱にほおのたるみが見られたが、
日本人は同年代で2割弱にとどまった。

 一方、日本人には欧米人と比べて、しみやそばかす、くすみなどが生じやすい弱点もある。
紫外線から肌を守るメラニン色素の量が多く、色が沈着しやすいためだ。
こうした物理的特徴のほか、メークの方法も日本人と外国人では大きく異なり、
肌状態の違いの原因となっている。

 資生堂ビューティーソリューション開発センターの大坪充恵参事によると、日本人のメークの
特徴は水を多く使うことだという。
「水が豊富な国だからか、入浴や洗顔、化粧水などこれだけ水を使う民族は珍しい。
乳液など油性の化粧品を主に使う欧米人と比べ、日本人の肌は水分を多く含み、
しっとりしています」

 ≪「美白」回帰≫ 
 昔から「肌の白いは七難隠す」と言われるように、色白の肌は一貫して日本女性の
あこがれだったが、戦後、その価値観が揺らいだ時期もあった。

 高度成長のなかでレジャーへの関心が高まりつつあった昭和41年、資生堂は
「太陽に愛されよう」と銘打った夏のキャンペーンを開始。
モデルに起用された女優、前田美波里さんの小麦色に日焼けした水着姿が大きな
反響を呼んだ。日焼けはビタミン補給のメリットもあるとされてブームになり、
サンオイルなど見栄えよく日焼けするための商品プロモーションが盛んに行われた。

 しかし、昭和60年ごろになると状況はがらりと変わる。
オゾン層破壊の進行などで紫外線の害が広く認識されるようになり、
化粧品各社は紫外線カットを売りものにした商品を競って開発した。

 調査会社「富士経済」によると、「美白」をうたうスキンケア化粧品の売上額(出荷ベース)は
平成6年に1811億円だったが、17年には2303億円に拡大。
また、昭和59(1984)年、平成11(1999)年に資生堂が実施した日本人の顔の
肌色調査では、日本女性の顔が集団として徐々に明るく、白系統の色にシフトしてきたことが
一目でわかる。

 資生堂は「日焼けサロンやガングロメークなど1990年代以降も日焼けブームはあったが、
20歳前後の若い世代に限定された一時的なものだった。
今後も日本女性が日焼け志向に回帰することはないだろう」と指摘する。

 ≪日焼けはだめ?≫ 
 紫外線が怖いのはしみやそばかすの原因となるだけでなく、皮膚がんにもつながるためだ。

 皮膚がんのなりやすさは皮膚のメラニン色素の量と関係が深い。
メラニン色素の少ない欧米人は日本人と比べて皮膚がんにかかる率が高く、
ほくろのがんと呼ばれる「メラノーマ」(悪性黒色腫)にかかる日本人は人口10万人あたり
1~1・5人なのに対し、オーストラリア人では20人を超える。

 しかし、紫外線に比較的に強いとされてきた日本人の皮膚がんも近年、増加傾向にある。
埼玉医大国際医療センターの山本明史教授は、日焼けが流行したころに青春時代を過ご
した人々が高齢化し、がん年齢を迎えてきたことや、紫外線を防御する役割を果たす大気中の
オゾン層が減少していることが原因ではないかと見ており、「欧米人は皮膚がんの怖さを知って
いるため個人で紫外線対策を取っているのに対し、日本人は無防備に近い」と注意を促す。

 日本人でも色白で日焼けするとすぐ赤くなるような人は特に警戒が必要と言う山本教授は
「長袖シャツを着たり、日焼け防止クリームを塗れば、その部分に関しては紫外線を
ほぼ100%カットできる。とにかく有害な直射日光を避けることが大事だ」と話している。
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 【「美白志向」飛鳥時代から】
 化粧文化を研究する大阪樟蔭女子大の村澤博人教授によると、日本人の「美白志向」は
中国文化が輸入された飛鳥時代にさかのぼるという。
『日本書紀』に持統天皇6(692)年、僧観成が日本で初めて鉛白粉をつくり、
褒美をもらったという記録があり、村澤教授は「この後、支配階級で白粉が使われ始めた
のではないか」と推測する。
 平安中期の『源氏物語』にも「女ぎみ(紫の上)は…(顔の)青み衰へ給へるしも、
色は真青に、白く美しげに、透きたるやうに見ゆる御膚つきなど、
世になくろうたげ(かわいらしい)なり」とあり、すでに透き通るような肌の白さが尊ばれていた
ことがわかる。
 世界では、紀元前7世紀にアッシリアのアシュルバニパル王が「色濃く紅を塗り、
鉛白(白粉)をつけて香油を塗っていた」とされ、中国でも紀元前8世紀に書かれた最古の
詩集『詩経』収録の詩に、「膚如凝脂(はだぎょうしのごとし)」という1行がある。
ラードのように白くなめらかな肌という意味で、村澤教授は「白い肌に対する美意識は
大昔から洋の東西を問わず、普遍的に存在したことがわかる」と話している。
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とても興味深い記事ですね。

私はもともと色白なほうですが、シミ・ソバカスなどはかなり気になります(ーー;)
美白といえばやはりビタミンCですよね!!