ビタミンC誘導体とは

今日はビタミンC誘導体について書きます。
そもそも誘導体ってどういう意味なんでしょう?
調べてみたところ
「ある化合物の一部を他の原子や官能基で置換した化合物、を指す有機化学用語。「○○誘導体」という表現が用いられる。」
とのことです。ようは化合物を改良した化合物ってことですかね?

もともとビタミンCには、
皮脂の分泌抑制、角栓を開く、抗酸化作用、コラーゲンの生成促進、メラニンの還元作用、メラニンの生成抑制、色素沈着抑制など様々な働きがあると言われています。
しかし、ビタミンC単体では壊れやすく、肌に浸透しにくいことが難点だそうです。

そこで開発されたのがビタミンC誘導体なんですね。
ビタミンC誘導体とは、美白作用があるビタミンCよりも角質層の透過がよく、より長い時間皮膚内にとどまるように改良された美白成分です。ビタミンC誘導体には、水溶性と油溶性があります。

水溶性:
水溶性のビタミンC誘導体は、ローションタイプの化粧品(化粧水)などに使われています。純粋な「ビタミンC」に比べ、約8倍の量が肌細胞に取り込まれ、その効果は12時間以上持続します。

●リン酸アスコルビルナトリウム
ニキビの抑制、改善、皮脂分泌抑制効果があり、化粧品メーカの「ビタミンC配合化粧水」などによく使用されています。

●リン酸アスコルビルマグネシウム
ドクターズコスメのVCローションに使用されることが多い成分です。
リン酸アスコルビルナトリウムとリン酸アスコルビルマグネシウムでは、効果に大きな違いはないのですが、使用感がかなり異なります。
マグネシウムの方が刺激が少なめです。
生成コストはマグネシウムの方が高いため、安価な製品には含まれていません。


油溶性:
油溶性はオイルに配合しやすいため、クリームやジェルタイプの化粧品に使われています。水溶性よりも肌への浸透率がさらに高く、24時間以上その効果を持続します。

●テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(=VCIP)
表皮に存在する「エステラーゼ」という酵素によって、「ビタミンC」と「脂肪酸」(パルミチン酸)に分解されます。「水溶性ビタミンC誘導体」に比べて肌への吸収率が高いので、もっとも効率のよい「ビタミンC誘導体」といわれています。また、「水溶性ビタミンC誘導体」に比べて塗布後の乾燥も少ないため、乾燥からくるニキビや、敏感肌の方には油溶性がおすすめです。


ビタミンC誘導体が、皮膚の内部へ入っていくと、細胞からリン酸基を切る酵素が分泌され、メラニン色素に近づくとビタミンCに変化し、新たなメラニン色素の生産を抑えてくれます。
また、ビタミンCは、皮膚の内部でコラーゲンの合成を促進、保湿を促してくれるので
小ジワやたるみを防止し、美白・肌の若返り効果があると言われています。

ビタミンC誘導体が含まれる化粧品は、紫外線で分解しやすいので、容器や保管場所などに注意が必要です。


また、最近では、
水溶性ビタミンC誘導体の特徴・・・表皮改善
油溶性ビタミンC誘導体の特徴・・・真皮改善
この2つの特徴を併せ持った進化型ビタミンC誘導体というのもあるそうです。
APPS・アプレシエとも、呼ばれているそうで、リン酸型ビタミンC誘導体にパルミチン酸を付加、親油性を獲得した新しい水溶性ビタミンC誘導体だそうです。

こうしてどんどん化粧品の原料も進化していくんですねぇ。

※ビタミンC誘導体化粧品の商品名に「ビタミンC誘導体」を使うことを厚生労働省が禁止しているそうです。